「太る」「ニキビが出る」「虫歯になる」…。チョコレートというと、つい悪いイメージが優先しがちだ。
「それらは誤った固定観念で、あくまでも取り方の問題。チョコは栄養効果と楽しみの両方を兼ね備えた食品です」
こう話すのは、茨城キリスト教大学の板倉弘重教授(臨床栄養学)。板倉教授は、10年以上にわたって、チョコレートに秘められた健康効果について研究を続けている。
単なる嗜好(しこう)品から、その機能性に注目が集まるようになった理由は、チョコの原料となるカカオマスに含まれるポリフェノールにある。
このカカオポリフェノールには、病気や老化の元凶とされる活性酸素の働きを抑える働きがあることが検証され、さまざまな“効能”が確認されている。
まずは動脈硬化の予防。動脈硬化は、“悪玉コレステロール”LDLが活性酸素によって酸化されることで引き起こされるといわれるが、カカオポリフェノールには、LDLの酸化を防ぐ力があるという。
また、アレルギーやリウマチなどの症状を和らげる効果も認められている。
≪受験の必需品!?≫
「チョコを食べ過ぎると鼻血が出る」などといわれるが、「興奮より、むしろ鎮静作用ですね。カカオポリフェノールにはイライラを抑えて気持ちを穏やかにする抗ストレス作用があります。ヨーロッパのホテルでベッドの脇にチョコが置かれていることがあるのは、そのためです」と板倉教授は説明する。
一方、カカオの苦み成分のテオブロミンには、大脳皮質を刺激し、集中力や記憶力を高める働きがある。
ストレスを緩和し、脳を活性化する-。板倉教授は「この時期、受験生は勉強の合間や試験の休み時間にチョコを口にするといいですよ」とアドバイスする。
13年前から日本で毎年開かれている「チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム」では、がんや認知症の予防、胃かいようや胃がんの発生因子のピロリ菌、病原性大腸菌O157に対する抑制効果なども発表されているという。
≪メタボならビター≫
チョコは太るから…と敬遠する人がいるが、板倉教授は「チョコに含まれるカカオバターの脂肪分は吸収されにくく、体に蓄積されにくいので、肥満につながりにくいんです」と指摘する。
しかし、カロリーは決して低くはないので、おなかいっぱいに食事をしてから食べたり、おなかがすいたときにたくさん食べると当然、カロリーオーバーになる。
また、ダイエット効果があるといわれ、女性を中心に人気を集めるカカオ含量の多い「高カカオチョコ」は、普通のチョコに比べて脂質が多く、カロリーも高いので注意が必要だ。
メタボ気味の男性には、どんなタイプのチョコを選んだらよいか。板倉教授は「ポリフェノールと食物繊維が豊富なビターチョコを。同じく動脈硬化防止の効果があるといわれるナッツを組み合わせたチョコもおすすめしたい」と話している。
2/13産経新聞より